ハイパーコンバージドインフラが各社から提供されていますが、一体自分はどれを選択すればいいのやら
という声に対して、無理やり比較していきます
対応ハイパーバイザ
HCI | VMware vSphere | Hyper-V | 備考 |
---|---|---|---|
Nutanix | ○ | ○ | AHV対応・Xen Server対応 |
DELLEMC VxRail | ○ | X | |
CISCO HyperFlex | ○ | ○ | |
HPE SimpliVity | ○ | ○ | Hpyer-Vは最大2ノード |
NetApp HCI | ○ | X |
対応ハイパーバイザは基本vSphereには全て対応です
ただ最新vSphere 6.7 にはまだ各社未対応が多いためご注意ください
アプライアンスのため対応は少し遅れてきます
Hyper-Vは各社対応が分かれています
Nutanixは以前から対応済み、HyperFlexとSimliVityは最近対応しました
VxRailはVMware純正(vSANベース)ということもあり今後vSphere以外に対応することはないでしょう
NetAppは最後発のため未対応。ロードマップなども不明です
そしてNutanixは何と言っても AHV でしょう
現在脱VMwareの先頭です。米国VMworldからも追放されたりとその勢いは止まらず、新規Nutanix導入のうち24%はAHVを採用しているとのこと
管理ツールもPrizm一本化されるのでAHVが現状最適解ではないかと個人的には感じています
完全分散ストレージ VS データローカライゼーション
SDSが完全分散ストレージなのか、データローカライゼーションなのかです
どちらが優れているか確定はしていませんが、データローカライゼーションはローカルにデータを置いてこそ性能を発揮します
思わぬvMotion / VMware HA でローカルアクセスできなくなる場合は、性能が劣化する運命にあります
一方で完全分散型は仮想マシンとそのデータに依存関係がありません
また完全分散ストレージは分散した状態を当然と捉えて設計されているので、性能は安定しているといえます
当然おもわぬ vMotion / VMware HA でもSDSの性能劣化は非常に低いです
個人的には、完全分散ストレージに優位性があると思っています
HCI | データローカライゼーション | 完全分散ストレージ | 備考 |
---|---|---|---|
Nutanix | ○ | ||
DELLEMC VxRail | ○ | ||
CISCO HyperFlex | |||
HPE SimpliVity | ○ | ||
NetApp HCI | ○ |
データコンパクション
データコンパクションは重複排除+圧縮です
標準対応、オプション対応どちらもあり、各社SDS特色がもっとも出ている部分です
HCI | 重複排除・圧縮 | 標準対応 | 備考 |
---|---|---|---|
Nutanix | △ | オプション対応 | 1TB毎にCVM使用メモリ量8GB必要 |
DELLEMC VxRail | ○ | オプション対応 | オールフラッシュ+オプションライセンス必要 |
CISCO HyperFlex | ○ | 標準対応 | インライン対応 |
HPE SimpliVity | ◎ | 標準対応 | インライン対応。FPGAによるHWパワーでデータ削減効果大 |
NetApp HCI | ○ | 標準対応 | ◎に近い○だと思うが、実力未知数のため○ |
無人バージョンアップ機能
各社表現は異なりますが、HCI管理ツール群とハイパーバイザを自動的にアップグレードするボタンがあるのか・ないのかです
自動アップグレードボタンをクリックすると、ハイパーバイザ上のVMをvMotionしつつ1台ずつESXiをバージョンアップしていくことが可能です
実際そのボタンを押すかどうかはユーザに委ねられますが、利用する権利としては備えてくれていた方がいいですね
HCI | HCI管理ツール群対応 | ハイパーバイザ対応 | 備考 |
---|---|---|---|
Nutanix | ○ | ○ | |
DELLEMC VxRail | ○ | ○ | |
CISCO HyperFlex | ○ | ? | ハイパーバイザ対応状況不明 |
HPE SimpliVity | ○ | X | 今後ハイパーバイザも対応予定? |
NetApp HCI | X | X | 別々 |
管理ツールの一本化
個人的な意見ですが、 管理ツールはvCenterにすべて統合されているほうがいい と思っています
たとえ多機能でもHCIハードウェア専用の管理画面があっては またその使い方を覚える必要がある からです
やっぱりシンプルに使うためにはツールが少ないほうがいいですよね
仮想マシンが安定して、多数収容できて、シンプルに管理できることが重要ですから
その視点でまとめてみました
HCI | vCenterで管理できる範囲 | 別途ツール | 備考 |
---|---|---|---|
Nutanix | ○ | Prism | HW情報、リソース情報などPrismを多用する |
DELLEMC VxRail | ◎ | Vxrail Manager | HW管理などVxRail Manager利用 |
CISCO HyperFlex | ○ | UCS Manager | UCS ManagerでネットワークからHWを管理 |
HPE SimpliVity | ◎ | - | 全てvCenterで管理 |
NetApp HCI | X | ストレージ管理ツール | ハイパーバイザーとストレージ管理は完全に別々 |
Vmware純正のVxRail と 全てをvCenterで管理するSimpliVity が優勢だと思います
NutanixはPrismに誇りを持っているので現状ツールを減らすという考え方はないでしょう
Cisco HyperFlexはUCS Managerあってこそです。そういう意味ではUCS Manager管理に慣れている方からするとHyperFlexが最適解ですが、初めて触る方にとっては少々ハードルが高いかもしれません
増設パターンの多様性
ノードを増やすと「CPUもメモリもディスクも同時に増設できる」のがHCIのいいところなんですが
同時に 必要なリソース量ちょうどにしたい とか ディスク容量と性能にはまだまだ余裕があるけど増設したい 要望にはHCIは基本的にはこたえられませんでした
ところが、後発3ベンダ(Cisco / HPE / NetApp)は コンピュートノード という形で「CPUとメモリのみの増設」に対応しています
もちろんHCIのストレージ設計上、コンピュートノードでも同等の性能を得られるようにできているので、コンピュートノード上のVMはディスク性能が劣るということは 全くありません 正直よくできていると思います
HCI | CPU/Memory/Storage同時増設(同一HCI) | コンピュートノードのみの増設 | 備考 |
---|---|---|---|
Nutanix | ○ | X | |
DELLEMC VxRail | 〇 | X | |
CISCO HyperFlex | ○ | 〇 | CISCO UCSなら増設可能 |
HPE SimpliVity | 〇 | ◎ | 他社製サーバも可能 |
NetApp HCI | X | 〇 | ハイパーバイザーとストレージ管理は完全に別々 |
そもそも比較するものなのか
比較しておいてなんですが、そもそもどれも似たり寄ったりなんです
- サーバとストレージを統合し、SDSを中心としたストレージ技術を利用
- 同一モデルを増設していってスケールアウトできる
- 小ノード構成でスモールスタートした設計をそのまま維持して大規模環境まで拡張できる
- 統合管理ツールが備えられて運用品質が保たれている
ここで上げた製品を導入すれば、上記に記載のメリットはすべて得ることができます
ただし、HCI製品同士でも「SDS部分」「管理ツール」「増設パターン」などで少しずつ異なる部分を今回記載した形です
何かの参考になれば幸いです
基本的にはHCIを購入すればどのベンダでもいいことはあるので私は特定のベンダを推すつもりはありません
だってどのHCI選んでも 優れた仮想化基盤になることは約束されている からです
予算さえあるのであれば、皆さんもHCIを検討してはいかがでしょうか
皆さんの日頃お付き合いのあるITベンダさんが最も得意なHCIをご提案いただくように依頼するのが最適解だと思います
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仮装基盤更改などの移行時にあたっては、仮想マシンハードウェアバージョンの確認も必要です
現状最新ESXi でもかなり古いハードウェアバージョンまでサポートされていて、敢えてハードウェアバージョンはあげないで移行を進めると言う作戦もアリです
Windows版vCenter Serverは終わることがアナウンスされています
運用方式はVCSA(仮想マシンアプライアンス)が主流になっていきます
vCenterとESXi互換性を確認したその次は、ゲストOS互換性確認です
以上