IT業界には 無条件に叩いていい存在 というものが存在します
の3つを「IT業界三大叩いていい存在」と(個人的に)呼称しています
無条件に叩いていい存在とは
無条件に叩いていいと言いすぎかと思いきや、全く言い過ぎではないのが COBOL・SIer・Oracleです
COBOLをなぜ叩いていいのか
COBOLに馴染みのない人に概要を説明すると
- COBOLと書いて「コボル」と読む
- 銀行預金管理のシステムなどに使われている非常に大事なプログラミング言語
- 古くから使われているので古いプログラミング言語
- 使っている人も古い(おじさん、高齢化:それはそれで社会問題)
といった感じでしょうか、なぜ叩かれるかというと
まさしく日本の嫌われ者?オヤジ・おっさんの象徴と言って良い特徴がそろっているからであって、
- あんまりかっこいい事ができないけどしっかり働く
- 昔の存在で、たまに邪魔な存在に感じるけど、よく働く
- ちょっとずつ入れ替えるというのが仕組み上難しくて、今更作り変えることも出来ない
とはいえ、COBOLは社会に不必要な存在ではなくむしろいいところもたくさんあるんです
- バッチ処理が得意
すべてのデータを一箇所に集めて、一括処理が得意 - 数値に正確
人間が読める10進数と機械語の2進数を変換し合うと誤差が出る(特に小数点以下)のですが、COBOL は10進数小数点の表現が可能です - 銀行、保険、証券で利用されている
一括処理が得意な点と数値に正確(特に小数点以下)
銀行、保険、証券なんかの金融システムは本店に顧客データや取引データが集約されています。
例えば、銀行の残高は一箇所に集めておく必要がありますね。どこのATM / 支店 で引き出しや振り込みを出来るようにするためにはすべてのデータを一箇所に集めておく必要があるということです。
とはいえ、過去のものという扱いを受けているCOBOLは皆から笑われる存在というか、かっこいいWeb系から笑われている傾向がありますね。
Oracleをなぜ叩いていいのか
ボッタクリ、殿様商売、高飛車、自分勝手とそのテクノロジーの評価の割にアンチの数が多いということで叩かれています。
他の製品・サービスと大きく異なるのが、その利用者(利用企業)やOracleで開発を行っているところにもアンチが多数いるということです。アンチは普通嫌いなサービスを利用しませんよね。Appleも多数のファンと多数のアンチがいますが、AppleアンチはiPhoneは使わないし、MACも使わないと思います。
一方でOracleアンチは、Oracle DBを利用しているし、Oracle DBで開発した製品で生業を立てているケースが非常に多いです。
日本オラクルの平均年収が公開されていて高額であることも叩かれる所以でしょう。
一般的に、平均年収1,000万ちょっとというのは日本企業(特にITからは)高額と言い切っていいですね。(この辺、日本オラクルは上場しているので更改していますが、正直平均年収は外資ITとしては高くないですよね。MSやらAWSやらCISCOなんかのほうがもらっているといい切れますし、大手外資系企業に限らず、外資は小さい企業の方が待遇が良いので ・・・)
ライセンスも高額だし、ライセンスポリシーも厳格だし、独占企業だし・・・
売りたいときにだけ訪問してきて、売れてからは二度と来なくなる営業スタイルも良くないんでしょう。
基本的にいいところはないんですよね
テクノロジーを除いては・・・
Oracleのもつテクノロジーは一言でいうと替えがなかなかきかない。代替品が無いかというとそうでもないけれど、それには大変な労力も必要だし、 やめたいけどやめられない、しかも高額な保守料を払い続ける必要がある点でOracleは嫌われているんだと思います。
SIerをなぜ叩いていいのか
あまり格好良く無いからですね
たくさん集まって労働集約的な感じがするとも言えるし、工数で金額を算出するというノンバリューな考え方も非常に古めかしいです
技術者と言えないレベルの調整だけを得意とする人間がプロジェクトマネージャーになり、プログラムをかけない人間がSEを名乗って要件定義や基本設計を行う。顧客の業務には精通しているけれども最新テクノロジーを使うことも出来ない。
多くはOracleやCOBOLを利用しているのもSIerである点も見逃せないですね。叩かれる2大テクノロジーを駆使して売上を上げているのがSIerです。
昔は一応若くてある程度高給を取れる職種だったんです、慣れないIT業務をこなすために長時間残業を強いられるというか求められると言うか必要とされると言うか・・・長時間残業をしてもしっかり残業代が支払われる業界なので、基本給や時給換算では低くとも5-600万くらいは25-6歳くらいですぐもらえるようになるもんでした。今では長時間残業がなくなり、裁量労働制が多くなり、金銭面で非常に物足りなくなってきたというのが私の本音です。
でも業務時間中にいくらでも調べ物をしてよくて(それくらいわからないことだらけの中で業務をこなす必要がある)、ステップアップ先としてコンサル業界や大企業ユーザ会社が待っていると考えれば、求められる学力などの割には非常にコスパがいいです。
一方で私は人材育成工場としてのSIerを評価しています。
大卒一括採用で100-200人くらいを大手は採用しますが、ほとんどまっさらな新卒を大手コンサルファームや大手ユーザ系企業に送り出し、多くはマネージャークラスまで成り上がります。中には外資系ITベンダでマネージャーになるなど、まともに転職活動していれば1000万くらいは普通に狙える業界です。しかも一流大学を卒業せずともこれを達成できるわけなので、個人的にはいい業界だと思っているし、新卒でSIerというのはいい選択(総合商社とかに行けない場合の話ですが)と思っています。
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SIerはそれでもなくなる日は来ないと思いますね
日本のIT事情的にも必須の存在ですが、前述の通り人材育成工場として大卒新人を「使えるIT人材」に変えて、ITメーカやコンサルに送り込むためには必要な存在です
今はイメージのいいAWSですが、アンチが多くなってきそうですね。
一度中の人になってみたかったのですが、今はその気概もなくなってしまいました(笑)
かつてのマイクロソフトはオラクル同様嫌われる存在でした。いつの間にか業績とともに企業イメージが大好転していますね。
以上です