vSANについてセッションを聞く機会があったので、そのメモを記載
ソフトウェア面での性能改善が多く、特に書き込み性能の改善が出来た点とPMEM利用による将来の性能向上に取り組んでいると言う話でした。
VSAN 6.7 Update3
- 書き込み性能の改善(LSOM)
- ディスク障害時の復旧がより早く柔軟に行えるようになった
ポリシー変更に伴う再同期時の容量問題の改善
並列再同期(パラレル処理)
セッションでの内容
書き込み性能の改善(LSOM)
- IOのキャッシュー>キャパシティ領域へのデータの流れ
LSOM -> SSOM -> (Elevator) -> Capacity
各ノードLSOMに記載された時点でACKを返す - 重複排除、圧縮時のシーケンシャルWrite遅延が大きかった問題に対する対応
遅延のばらつきがあった(遅延の性能偏差という)
ポリシー変更に伴う再同期時の容量問題の改善
- VSANはポリシーを動的に変更可能だが、このとき容量の25-35%の空き領域(スラックスペース)が必要だった
- これは、ポリシー変更後のデータ動的移動を同時一斉に行っていたことが理由
- 順次移動するようにアルゴリズム修正した
- 容量逼迫時の再同期一旦停止
自動データリバランスはかからない
- 手動(最大と最小が30%乖離した場合に実施可能になる)
- これを閾値設定して、最大と最小の乖離がしきい値を超えた場合に30分後に自動リバランスが走る
- これはオンオフ可能なので、自動・手動は設定で変更可能
並列再同期(パラレル処理)
- これまではオブジェクトあたりシングル処理だった
- 再同期時にリソースが余っているのに、シングル処理で待たされることがあった
- 50並列まで実施可能にリソースが空いている範囲でデータ再同期が行われる
vSANと将来のハードウェアに関して
- NVMeが主流、PMEMはこれから
- キャッシュ+キャパシティから、次世代ALL NVMeを計画している
NVMeがキャパシティ扱い(NVDIMMとしてPMEMをキャッシュ扱い) - ベンチマーク
Vsan 6.7U1(SSD+HDD) VS Vsan 6.7U3(PMEM+NVMe)
重複排除なしの場合は、性能差があまりみられない
重複排除ありの場合は、Write性能で大きな改善がある(RAID1 Random, RAID5 Random)
本来のシーケンシャルでは性能向上が10%程度・・・Write Bufferを使い切れていないからかもしれない
ソフトウェアの向上などに期待
CPUオーバーヘッドは非常に少ない(3-4%程度)
関連記事です
次世代のvSphereなかなか出ませんね。
個人的にこれ以上vSphereに期待することはあまりないのですが、リリースされない状況が長期化すると不安になります。開発リソースが無いのかなとか、キャッシュがないのかなとか。
vSANを利用することでより持ち運びやすくなると思っています。仮想化技術は今後もオンプレの主役になると思っていて、仮想化+コンテナ(マイクロサービス化)が今後のオンプレ&クラウドによるハイブリッドクラウドのトレンドになりそうな気配です。
以上です