(出典:blogs.oracle.com)
Oracle Database Standard Edition2 (SE2) の高可用性クラスタとして利用可能に新たになった Standard Edition High Availability について記載しています
Standard Edition High Availabilityとは
- SEHAは、Oracle Database Standard Edition2 向けのOracleクラスタウェアによるフェイルオーバー型アクティブスタンバイHAクラスタ
- SEHAは、Oracle Grid Infrastructureによりクラスタリングされる(ただしRACとは異なる)
- SEHAは、Oracle Database 19c RU7 (19.7) 以降のリリースで利用可能
- SEHAは、Active側のSE2ライセンスのみでHAクラスタを構築可能
スタンバイ側は「10-day failover rule」により1年間あたり10日のフェイルオーバーは無償で行える - SEHAを構築するには、Oracle Database製品のクリーンインストールが必要(つまり既存DBを直接アップグレードする方法はない)
必要なライセンス
スタンバイ側は「10-day failover rule」が適用可能とあるため
- アクティブ側(1号機)は、ライセンス必要(Oracle Database Standard Edition 2)
- スタンバイ側(2号機)は、ライセンス不要(10-day failover rule)
10-day failover ruleとは・・・
1年間あたり10日のフェイルオーバーは無償で行えるという
- 2020年 新たに利用可能になった
- Oracle Database の新しいクラスタウェア
- Oracle Database Standard Edition の HAクラスタを構築可能
DB18cまで利用可能だった SE2 RAC の代替
SE2 RACと同じくアクティブースタンバイ 型 - 19c(19.7)より利用可能
Standard Edition High Availabilityの動作、仕様
まず、対応OSから
既存システムからの以降(アップグレード含む)
- 既存システムからスムーズなアップデートはできない
それは直接アップグレード方法がないため - 現時点では DB19.7 のインストール(クリーンインストール)から構築する方法のみが提供
- 既存Oracle DB SERACサーバは、一度シングルインスタンスに戻す必要がある
したがって、既存システムから直接アップグレードする方法は提供されていません
必ずクリーンインストールをする必要があるためです
RACとは異なるクラスタ技術になってしまうため、既存SERACをアップグレードすることもできません。一度シングルインスタンスに戻す必要が出てしまいます。
クラウドでも動作可能?
現段階ではクラウドは動作サポートされていないようで、利用するためにはオンプレミス限定と考えたほうが良いです
ASM と ACFS が必須なのはインストールマニュアルに記載されています
You must store the Oracle Database binaries only on local storage or Oracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS).
You must store the Oracle Database data files only on Oracle ASM or Oracle ACFS.
クラウドブロックストレージで ASM / ACFS をちゃんと作れないことは AWS/AzureでOracle RACがサポートされていないことからも証明済みです
これによってミッションクリティカルなOracle DBサーバは AWS/Azure で構築することは難しくなっています
とはいえ、Oracle SE2 でミッションクリティカルなシステムはあまりないと思うのでそのへんはGoldenGateや3rdパーティ製ソフトウェアで実装するのもありかもしれませんね
参照情報
- NOTE:2504078.1 Desupport of Oracle Real Application Clusters (RAC) with Oracle Database Standard Edition 19c
- NOTE:2561913.1 Oracle Database Standard Edition 19c の Oracle Real Application Clusters (RAC) のサポート終了
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Oracle Database 20c リリース前の情報です
クラウドで利用するのであれば無理してSEHAを構築せずに、Managed Serviceなどを利用してしまうのが良いでしょう
Oracle Databaseをクラウド利用したいなら、Autonomous Databaseが第一候補でしょう
以上です