Oracle Database 19c の Standard Edition 2では、RACは非サポートとなり、利用できませんのでご注意ください
上記URLに以下記載があります
Oracle Database 19cでは、いわゆるSE2 RACはサポートされません、残念ながら・・・
Oracle Database SE2 RACとは
Oracle Databaseを利用する際に非常にメジャーなクラスタリングがStandard Edition 2によるSE2 RAC構成(Real Application Cluster)です
Oracle Databaseは、主にエンタープライズ向けのシステム(社内システム、社外システム問わず)においてほとんどのシェアを締めているデータベース・ソフトウェアです
オラクルという社名=Oracle Database といってもいいくらい有名なソフトウェアです
Oracle Databaseには、大きく2つのエディションがあります
- Enterprise Edition (上位エディション)
- Standard Edition 2 (下位エディション)
- Standard Edition(販売終了済み)
- Standard Edition One(販売終了済み)
このうち、通称SE2と呼ばれるStandard Edition 2についてです
SE2は下位エディションと呼ばれてはいるものの、エンタープライズ向けの重要システムによく使われており「止まってはいけない」データベースサーバに主に使われます
1つのシステムに於いてデータベースサーバが停止することはシステム全体が停止していることと等しく、データベースサービスを極力停止しない設計を心がける必要がありますが、このできるだけ停止しないことを「可用性が高い・可用性を高める」といいます
Oracle Databaseにおいて、可用性を高める最もメジャーな方法は「クラスタリングの仕組みを採用してHAクラスタ化する」ことであり、Oracle Databaseが提供するクラスタ方式がReal Application Cluster(通称RAC)ですね
Oracle 18cではSE2 RACはサポートされていましたが・・・
以下URLに記載されていますが、
Oracle Database 18cでは、SE2 RACはサポートされていました
(Oracle Database 18cのドキュメントより)
ですが、前述の通り19cではサポートされていません(参考URL:
(Oracle Database 19cのドキュメントより)
別のOracle公式ページにも同様の記載があります
URL内にはちゃんと記載がありますね
対応策
表現が難しいのですが「現状の運用形式を維持」「同程度の価格」「システム上の変更なし」「19cを利用」のすべてを満たすことはできません。
ただ1つだけ移行方法が「少なめ」な方法があります
Standard Edition High Availavility(Oracle DB SEHA)への移行です
ただSEHAへの移行はクリーンインストールのみ対応のため、新しいサーバや仮想マシンを用意してRMAN/Datapumpで移行する方法しかありません
「現状の運用形式を維持」「同程度の価格」「システム上の変更なし」「19cを利用」のすべてを同時に満たすことはできませんが、それ以外では、大きく4つあります
- Enterprise Editionにアップグレードする
- ExaCS(Oracle Exadata Cloud Service)に切り替える
- Oracle Fail Safe (Standard Edition 2ライセンスでOK)
- Oracle 18c以前のバージョンを利用する
表現が難しいのですが「現状の運用形式を維持」「同程度の価格」「システム上の変更なし」「19cを利用」のすべてを満たすことはできません。
- Enterprise Editionにアップグレードする
「同程度の価格」で実現できません、追加ライセンスコストが必要です
Standard Edition 2から、Enterprise Editionへのコストアップは強烈なのでDB統合などで台数削減をするか、Exadataに収納するかの検討が必要です - ExaCS(Oracle Exadata Cloud Service)に切り替える
「現状の運用形式を維持」と「システム上の変更」の両方が必要です
「価格」も変更になるでしょう(上がるか、下がるかはケースバイケース)
Oracle社としては、クラウドを利用してほしいのかもしれません - Oracle Fail Safe (Standard Edition 2ライセンスでOK)
「システムの変更」が必要です
Windows HAクラスタ(MSFC)を自分で構築する必要があり、クラスタの障害をオラクル社は面倒を見てくれない(MSサポートの範疇になる)です
また、Oracle 19c では非推奨になっています - Oracle 18c以前のバージョンを利用する
「19cを利用する」ことができません
費用やシステム変更が極小ですが、18cのサポート期間が長くないことを考慮する必要あり
今回のオラクル社の変更の意図は全ては理解できていませんが、おそらくはOracleクラウドを積極的に利用してほしい(クラウド利用させたい)んだと思います。
オラクル社提案としては、Oracleクラウドがファーストチョイス、オンプレExadataがセカンドチョイスといったところだと思います
強烈な囲い込み戦略ですが、文句を言ってもキリがないので状況にうまく対応して適切な対処を取ることをおすすめします
なにより「Oracle Databaseを使わない」という選択はちょっときついですからね
パッケージソフトなんかは、Oracle DBのみに対応しているケースも多いでしょうし
MS SQL Serverに対応していても、Oracle DB -> SQL Serverへの移行面で大変だからITベンダさんが引き受けてくれなかったり、前例がないため結局自社でリスクを追う必要に迫られる可能性もあるので、DBを別のソフトウェアに変更することが最良とも思えません
参考になれば幸いです
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評価版のダウンロード方法について記載しています
Oracleといえば、Oracle VMやOracle Linuxもありますね
SEHA(Standard Edition High Availavility)に移行するのであればマニュアルをご確認ください
以上です